一説によれば、20万〜30万人規模の都市ではNTTの局舎から家庭の手前まではすでに光ファイバー網は届いているという。もちろん、ここから先の「ラストワンマイル」の敷設費用がばかにならないのだが、NTTが2000年秋から東京の一部地区で実験的展開を始めると発表したように、徐々に着手されようとしている。先はどのユニバーサルサービスの議論と同様に、ひとくちにコストと言っても、それは需要密度の関数で見るべきだ。比較的密度が高く、採算的に妥当なところから始め、拡大を図るべきではなかろうか。全国一律料金にこだわることなく、物理的に利用可能地域を広げることが大切である。むしろ、光ファイバー敷設の条件は、将来どれだけの通信需要が見込めるのかということにかかっているだろう。
いままでの通信技術では、情報の伝達の仕方に大きく分けて二つの考え方がありました。それは「ユニキャスト」と「マルチキャスト」です。つまり、一対一なのか、一対多、あるいは多対多なのかということです。これからのデジタル・コミュニケーションを考えるうえでたいへん重要な二つの考え方です。人間のコミュニケーション―たとえば部屋のなかでしゃべるとか―は、一対多、または多対多が基本です。むしろ一対一は特別なのですが、これまでの通信技術は、多くの場合、一対一のコミュニケーションモデルを基本にしてつくられていて、ここにはそもそも大きなひずみがあるといえます。インターネットの世界でも一対一モデルを前提した技術が基盤になっていますが、たとえば、どこか一つのコンピュータに蓄えられている、ある一つの情報をみんなが拾っていくというようなことは、事実上一対多のコミュニケーションです。
インターネットを利用した電子商取引(eコマース)は、インターネット回線接続業者(インターネットサービスプロバイダ、ISP)と企業のサイト制作を請け負ったウェブ制作プロダクションを除けば、インターネットが商用化されて以降、おそらくいちばん初期よりサービス提供を始めた事業者であろう。もっとも、インターネットが一般に広がり出した1995年ごろから2000年ごろまでは、ダイアルアップによるインターネットアクセスが一般的で、店はオープンしたものの、現在のような活況を呈していたわけではない。それには、2001年から低価格で大攻勢を仕掛けたヤフーBBによるADSL(非対称デジタル加入者線)を待たなければならなかった。